潤滑装置の役回り

自動車のエンジンのメカニズムとは燃料を燃焼させて空気を膨張させ、ピストンを押して得た上下運動をクランクシャフトを用いて回転運動に変えるというものです。この過程において、上下運動を作り出すピストンと燃焼室の内壁や、クランクシャフト部分は金属が擦れる部分があり、摩擦により熱が発生したり部品の摩耗が生じます。潤滑装置とは、エンジン内の金属同士が擦れる部分に潤滑油(エンジンオイル)を送り、摩擦抵抗を減らしてエンジンが円滑に動くようにするという役割を果たす重要な装置です。ほとんどの自動車に用いられている4サイクルエンジンのエンジンオイルを送る方式は全流ろ過圧送式と呼ばれるものです。全流ろ過圧送式の装置ではエンジンの底部にオイルパンと呼ばれる潤滑油を溜めておく部分があり、オイルポンプを用いてオイルを吸い上げてフィルターで不純物を濾し取った後に、エンジン内の摩擦が発生する部分(ピストンやクランクシャフトの回転部分)にオイルを送り込み、使用後のエンジンオイルは再びオイルパンに溜められる機構になっています。エンジンオイルは特性上、温度が高くなると潤滑性能を失うので、使用後に高温になったオイルは冷却装置で冷やされるようになっています。もしもエンジンオイルが劣化して潤滑性能が低下したり、オイルそのものが不足するとエンジンが焼きついて重大な故障を起こしてしまいます。このため運転席にはエンジンオイルの油圧が低下すると警告灯が点灯して運転者に知らせるようになっています。

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